大人になっても、楽譜が読めるようになるのか?
大人から音楽を始めた人にとって、楽譜が読めないというのが、音楽を始める大きな障害の一つかもしれません。40年近く音楽を聴く専門だった夫も「楽譜が読めない」ということで、新しい曲が弾けるようになるまでにとても時間がかかっていました。ヴィオラを選んだのも、多少バイオリンより楽譜が真っ黒じゃないから。ということも大きかったと思います。いえいえ、決してビオラが易しい訳じゃないんですよ。でも、絶対に読めるようになって欲しかったので、あえて指番号などはふらず、毎回毎回、リズムを叩かせて、音名を言わせて、手間暇をかけました。そしてその後に、オケのスコアーを見せてCDを聴かせるようにしました。なぜ読めるようにしたかったかというと、一緒に合奏がしたかったんです。音大とかで同じクラスの人同士彼氏彼女で、一緒に室内楽とかしちゃって、いいですよね〜ああいうの。私は大学時代からまあ、どこから観ても絶対に彼氏なんぞのいないさそうな風体だったので、髪もぼざぼざ、靴も1980円、洋服もおしゃれな音大生が「あの子と絶対に一緒に歩きたくない。恥ずかしい。」とか陰で言われてたほど。はい。知ってます。(笑)まあ、モテません。おしゃれするお金がなかったんです。性格もきつかったですしね。あ、過去形じゃないか、今もですね。(笑)で、結婚しちゃったんです。若いころやりたかったことを叶えたいじゃないですか。なので、夫を一から仕込みました。(笑)で、結果読めるようになりました。毎年、夏のオーケストラ合宿に二人で出かけるのが楽しみです。先生も、「あまりにも実力差があると、ケンカにならなくていいんだよ」なんて暖かく見守って下さっています。
今日も前フリが長くなってしまいましたが、結論として、大人から楽器を始めても、楽譜が読めるようになります。その方法を今日は皆様にも伝授したいと思います。
1 まずハ長調の曲が歌えるようになろう。
チェロでもビオラでもバイオリンの曲でシャープもフラットもついていないハ長調というのは、とても少ないと思います。でも、ハ長調からソルフェージュは始めてください。
なぜなら、階名唱するときにその人の頭のなかは、ドレミ・・・と歌うわけなので問題ないのです。まずは、ドミと出てきたら、ドミの音程感覚が頭にうかぶということが目的です。そのドが、実際のピアノのドと違っても何の問題もありません。チェロの方だったら、せっかくなので、ヘ音記号も読めるようにという意味で、ヘ音記号に自分で書き直しましょう。ヘ音記号だと、加線を五線の上に書き加えて、お団子串刺しにした音符ですね。ビオラの方の場合は、ハ音記号ですので五線の丁度真ん中の線に、音符がお団子串刺しになっているのが、C=ハ長調のドですね。教材はなんでもいいです。ソルフェージュ教材ってたくさん今は売ってあります。弦の人なら、伴奏がちゃんとついているものがいいです。大人の人は、ト音記号のとなりにシャープもフラットもついていない教材が、たくさん付いているものを選んでください。
2 音符カードを使って、反射神経を養おう。
楽譜が読めるというのは、楽譜をみたときに書かれている音楽が流れてくるということをいいます。これとは別に、音符と自分の楽器の弦と押さえる箇所を一致させる反射神経も養います。私は共同音楽出版社と言うところから出ている五線譜カードをよく使っています。これはヘ音記号や、ト音記号がすでに印刷されているので便利です。チェロの方は間違えないようにヘ音記号を購入してください。ビオラの方はハ音記号は売ってないので無地を買って自分で書きましょう。もしくは、カード自体を自分で手作りしてもいいですよね。
裏に、音名と指の番号を書きます。音名は自分の覚えやすいものでいいと思います。
正確には、ドイツ音名や英語音名のものを「音名」と呼んでいるのですが、生徒たちには「ドレミ」で覚えさせています。シャープやフラットがついたら、ドイツ音名でフィスとか、チスとか覚えさせています。一枚ずつトランプみたいに出しながら自分で言っていって、とにかく速くささっと言えるようにします。音名あて、番号あて、見て反応して弾くという3パターンで大丈夫です。その後、2枚並べて2枚連続とか、そういう感じでメロディーに近くなるようにしていけば、なおいいです。
これにリズム練習とコードが加わるのですが、この辺りはまたいつか。