僕がバイオリンを続ける理由

雪猫

東京は大雪となりました。外は一面雪景色。ノマド猫(昔の言い方でいう野良猫)たちも寒そうです。レッスンは開店休業状態です。家でゆっくりと読書や練習、ブログ執筆で有意義な時間を過ごそうと思います。

さて今日はお教室の生徒のことを書いてみたいと思います。今年のお正月での出来事を、とあるご父兄がメールしてくださったので、ちょっと拝借させていただきます。(ご父兄に許可をいただいております。)

お正月に親戚皆で「オセロゲーム」をしたそうです。最近小学生の生徒君メキメキ強くなり、大人は誰も勝てなくなった。そこで、叔父様が質問されたそうです。「どうしてそんなに勝てるの?」その質問の答え。「たくさん、負けたからだ」。そういう風に答えたことに対して、ご父兄もご親戚もびっくりなさったとか。まだまだ生徒君の話は続きます。

バイオリンやピアノについても上手じゃないと続ける意味がないって、クラスメートとかその保護者に言われたけど意味がわからん。上手になりたいけど、明らかに能力の差はあるはず。でも続けていれば、指折りのプレイヤーにはなれなくても上手になる。

いやあ、素敵な言葉ですね。さすが私の生徒ですっていいたいところですが、これはきっと普段から、ご両親がそういう風に素敵に育てていらっしゃるんだなと思いました。兄弟や他人と比べたりしないで、その子自身が成長していっているところにフォーカスした発言をしていらっしゃるのだと思います。オセロゲームと楽器のことをつなげたあたりは、少しずつ努力していればいつかいいことがあるということをこの子は音楽を通じて学び、だから、オセロも負けたからつまんないやってやめずに負け続けた。だから勝てるようになったんだ。という風に本人の中ではつながっているのだろうと思います。

ご親戚一同こんな風に言えるように指導している先生達ってすごい。あの年齢でそういう経験ができることが羨ましい。と言ってくださったそうです。まあ、お褒めいただきありがとございます。確かに、〇〇ちゃんは、何歳の時にもうこれ弾いてたのに。とかそういう発想はうちの講師達にはないですね。能力ってそんな単純に図れるものじゃないんですよ。音大で苦労してきた私達だから、十二分にわかっています。同じ曲弾けたって、弾けたような気になっていたって、才能豊かな他の子が弾くと別の曲みたいに聞こえたり。比べる気持ちがなくたって、現実を常に突きつけられるのが音楽の道です。人と比べてたら精神が持ちませんし、そもそもそこにフォーカスする時間がもったいないです。フォーカスすべきは「音楽」です。

生徒さんたちって大人も子どもも、いろんな性格いろんなタイプがいらっしゃいます。最近どういうタイプの人が長く続けられるのか、何となく分かるようになってきました。ずばり「マイペースな人」です。人を人とも思わないわがままな人ということではありません。自分のペースを何があっても乱さない心の強さを持ってる人ということです。きっと、この生徒君は、そういう意味の「マイペース」さを持ち合わせた子なんだろうと思います。この宝物を大事に大事にこれからも育てていきたいと思います。

 

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僕がバイオリンを続ける理由” に対して1件のコメントがあります。

  1. toyonaga より:

    私の想像が正しければ「彼」ですね。
    そう、「彼」は私にとっても宝物です。
    私は「彼」よりずっとずっと年上だけれど、まだまだ「彼」のように悟りをひらけてはおりません。
    「彼」がこの世に生まれたこと、生んで育てている家族がいること、その「彼」に出会えたこと、それらすべてに感謝。

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