モーツァルトはどう弾くの? 4
皆様、いかがお過ごしですか?先日いただいた2連休ではジョギングしました。後楽園の前を通過して皇居まで。まさに東京みたいなビルが立ち並ぶ景色なのに、緑も程よくあって皇居はいいですね。パレスホテルがきれいに改装されていました。ここに自転車で乗り付けてコーヒー飲むのが好きだったんですが、こんなにきれいになってしまっては、変な恰好じゃ入れません。(笑)
さて、今日はモーツァルト4回目のお勉強です。
1 スラーの長さで音の強さが変わる
「スラーのかかった音のグループは、ひとつの音と同様の音価でで主ナーミクが付けられた。」p.167 引用
八分音符2音とその後八分音符6音のスラーがあった時には、1拍と3拍分の音価として考えられ、3拍分の頭のほうがやや強く演奏するそうです。活字でそうかと思うことも大事ですが、よくよく考えたらモーツァルトでそういうフレーズが出てきたら自然と長いスラーのほうが、より強く発進しますよね。どこか知ってるフレーズでスラーが続くところを歌ってみましょう。長い方を強く、もしくは重く歌いたくなりますよね。たぶん、そういうことが大事なんだと思います。どうしてそうなのか知れば、より自分の歌い方に確信ももてますね。
2 「跳躍進行の音は順次進行よりも短く演奏される」 p.167 引用
これも当時一般的だった演奏習慣だそうです。これと別のことを望めば何か表記があったそうですが、どういった表記なのかはこのページにはありません。
3 5つの記号の使い分け
さて、ここから具体的にモーツァルトを含むその時代の作曲家たちが、どういう風に記号を使い分けていたか、記述されています。ここは楽譜がないと厳しいところですが、まず①スラーのみ、②スラーに・・・・、③・・・・のみ、④なにもなし、⑤縦のスタッカ−トと分けられています。一つ一つに説明はありませんが、ここまで読み進めたことを参考にすると、④のなにもないのは、前後の文脈から当時の習慣に則って演奏する。①はスラーを普通につける。③もスタッカートとは限らなくて、普通はスラーだけどスラーじゃないからねって言っている場合もある。ということかと思います。残り②と⑤について、アーノンクールがその後に記述しています。②はよく言われている弓のビブラートだそうです。弓圧で音を震わせるような演奏ですね。これは、ピリオド楽器のオーケストラなどを聴きにいくとよくやっています。⑤は、どのくらいの筆圧なのか、何ミリで書いているか、それとも書き飛ばされた・が縦にみえているのか、そういうことも本人の楽譜を見たほうがいいと書いています。書いた時の作曲家の感情が筆に現れているということなのでしょう。もうここまで来たら、なんというか、私なんかの手に負えません(笑)でも、そういう気持ちで自筆譜を観ていくと、発見が色々とあるんでしょうね。ちなみに、お父さんのレオポルドによると、縦スタッカートにスラーというのもあり、それは弓を離してしまうスタッカートだそうです。
文章だけじゃんくて、ここに映像があるとわかりやすいんでしょうが、なかなかそこまで手が回らなくてすみません。あと、実際にこの曲のこの部分でそういう風にやってるとか、そういう実例もいつかじかんができたら探してみたいと思っています。楽譜はこういうことを含めてすでに編集されているから、私達は専門家が編集してくれたものを見て弾けばいいのかもしれませんね。
でも、もしこういう思考過程の後に、この編集になったんだってことを知っていれば、同じスタッカートを見ても、どのくらいの短さにしようかなとか譜読みの段階で思いを巡らせるようになるんじゃないかと思います。この本を読み始めた時は、うわあ、どうしよう全然こんなこと知らなかったと焦ったのですが、読み進めるうちに落ち着いてきて(笑)そうか、たくさんいいものを聴くしかないんだ。最後はそこだ。と思うようになりました。適当に上手な人の演奏じゃなくて、一流の演奏ですよ。色々とCDやDVDも集めてみようと思います。