バイオリンの基礎ってなあに〜歌うように弾こう〜

「これはおどり?歌?」

私が小さい頃「窓際のトットちゃん」という本が大ヒットして、私も楽しく読みましたが、そこでお弁当を持ってくるときの校長先生の注意に「やまのものとうみのもの」を両方入れてください。という話があったかと思います。本が実家にあるので、確認できないので、ちょっと違ったかもしれませんが、私の記憶が正しければ、2つの種類がちゃんと入っていれば栄養が偏らない。難しいことを言い過ぎてはお弁当が大変になるし、という校長先生のお気持ちなのだと思うのですが、ものすごくなるほどなと思って読んだ記憶があります。今はテレビで映像化されてるそうですね。
音楽をまずはざっくり把握する時に、私の先生も「これはおどり?歌?」って良くお聞きになり、この「うみのものとやまのもの」の話を思い出すのです。なんて素晴らしい分類だろうって。難しすぎず、でも把握するまず第一歩はここじゃないかと思います。

私もちゃっかりと使わせていただいています。今日のお題はこちらの曲。もう楽譜見てお分かりかと思いますが、エックレス作曲 バイオリン・ソナタト短調です。みんな勉強しますね。

レッスン〜エックレス作曲 バイオリン・ソナタト短調〜

グローヴ音楽辞典によると、イギリス出身のバロック時代の作曲家ですが、フランスで楽譜を出版しているようです。ヘンリー=エクルズ(Henry Eccles) として載っているので、エックレスって引いても、出てきません。生没年も正式には?で、1675年ころ〜1745ころという記述が多いかな?という感じです。

同時代を探してみると、イタリアだとアルビノーニ ダッラーバコ ヴィヴァルディーといった作曲家がいます。同じイギリスの出身者 パーセルは1664年ですので、11歳ほど後輩がエクルズということになります。後期バロックです。パリの王家に仕えていたようで、バイオリンと通奏低音のためのソナタ 第一集から第11番にあたるのが、写真のよくバイオリン学習者が練習するこの曲になります。NAXOSには他の曲のCDもバッチリ入ってます。是非他の曲も聴いてみると、エックレスの魅力がわかります。こちら。原典版もないかなってさらっと探したのですが、指番号がないところまでは見つかったのですが、校訂版はたくさん出てくるのですが・・・。ちょっと地道に探してみます。

さて、今日は3楽章をどうでしょうか?小学校中学年高学年から中学生あたりで勉強する時期がくるでしょうか?短い緩徐楽章で、歌い方の練習ができますね。ものすごくセンスのいい子は、ほっといても上手に歌うように弾きますが、たいていは、数えてるでしょ、音程探してるでしょって感じの一本調子の、どこにも抑揚のない演奏をし始めて、あららららって感じになります。わあ、今週の宿題短くて良かった〜なんて思って気を緩めてると大変ですよ。(笑)

この曲がこの曲らしくいかない演奏パターンっていくつかあると思うので、パターン別にレッスンで勉強することが変わってくるかと思います。

1)ボウイングを返す度にアクセントがつくパターン

筋肉が足りないせいで、返す度に弓のスピードが変わってしまう生徒が時々いますが、こういう曲ではよく目立つので治すチャンスです。小さい時に、大きすぎる楽器や長過ぎる弓を持っていた生徒なんかは、先弓を返す度に「よいしょ」って感じで返してるのを、よく見かけます。(うちでは大きめはもたせてないです)教える側が根気強く、先を返す瞬間に、前腕の内側を止めてあげたりして、アクセントをつけないボウイングを身体で教えていきます。あとは前腕の筋肉を使うことに少し集中させるだけで、治る子もいます。

ジムで筋トレを習ってるのですが、スクワットするときに、お尻と太ももの裏側の筋肉を使ってかかとでけるように起き上がるという意識をするだけで、体幹がブレなくなるんですね。最初のうちは筋力もまだ足りてないので、意識してても起き上がる時にいちいち身体が揺れるんですが、筋肉がついてくると勢いをつけなくても、必要な筋肉を必要なだけ使って、すっとまっすぐ使えるようになります。たぶん、ボウイングも同じで、必要な筋肉を必要なだけ使えば、勢いをつけるということがなくなっていくのではと思います。まずは、使わせる。使わせることで筋肉が管理できるようになる。アクセントがつかないで返せるようになる。ということではないかと思います。まあ、でもこの曲を弾く頃には、ボウイングはほぼ出来上がって、自分で色んな弓スピードコントロールできるようになっていてほしいですよね。

2)曲に対してアイデアがないパターン

クラシック音楽を聴く習慣がない人にとっては、いくら教科書に載ってるからって、まったく未知の曲になります。それでも、今まで勉強した経験で、問いかけると一生懸命考えてくれます。一緒に設計図を引いてあげればいいと思います。メロディーが終わる感じはどこかな?じゃあ、そのメロディーの中で一番重要に感じてもらう音はどれかな? 難しいことは抜きにして、感じさせるトレーニングをしていけばいいと思います。ほぼそんな子はいないけど、どうしても全くわからなかったら、NAXOS聴かせればいいと思います。もしくは、先生が弾いて見せて、それがどういうふうな演奏だったか言わせるところからでもいいと思います。まずは「まねぶ」ことです。この曲の場合だったら、最初のデーはアウフタクトのように感じで、Cに持っていき、3小節目のGまでフレージングを長く感じて、下降していくフィーリングで弾く。拍子感も必要なので、3小節目のBの音にもじゃっかんの重要性をもたせるけど、Cほどではないという設計図が引ければいいのではないでしょうか。

3)アイデアはできたけど表現できないパターン

大人の人に多いですが、アイデアはものすごくあるのに、いざやろうとすると全然ちがってる。大人に限らずいいこと言ってるのに、全然やってないよねそれ。という子ども。「テクニックが自分の感性に追いついてない。」もしくは、「自分の音が聞こえてない。」のどちらかだと思います。

テクニックがない場合は教えればいいのですが、主にボウイングのコントロールができないんだと思います。ここで強くと思った時に、弓のスピードを速くとか、ディミヌエンドしたいと思ってるのに、圧力が減らないとか、その子をよく見極めて指摘してあげればいいと思います。どうやってもダメなときは、その子の楽器と弓でできることなのか、先生は楽器弓のチェックもするといいと思います。この楽器強弱でないじゃん!ってことも、まれにあります。そりゃ楽しくないよねっていう楽器。

自分の音が聞こえてない生徒の場合は、ひたすらその瞬間に今どうだったか言わせます。ディミヌエンドしたいって言ってましたけど、今のそう聞こえましたか?っていう感じです。こちらが指摘するのと、質問をするのは、雲泥の差で生徒の態度が変わります。受け身の演奏=なんか言われたら直そう から、自分の演奏に責任持たないとという自主的な演奏に少しずつですが変わっていきます。

日々のこういう積み重ねが、人前で演奏する時に、不器用ながら何かを訴えようとしている演奏になるか、受け身の演奏になるか、変わっていくように思います。もちろん、時間かかりますよ(笑)でも、音楽表現って自分の中から湧き出てくるものであってほしいと思うのです。

速く速くって、生徒の成長を速く見たい気持ちもたくさんあるのですが、ゆっくりじっくり、本当のことを育てないとって思う自分もいます。長生きして、生徒が上手になっていく姿を楽しもうと思います。

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