合宿行ってきました

2017年1月9日 / 最終更新日 : 2018年12月13日辻有里香

毎年、合宿とともに年が明けます。別に狙ってるわけじゃないのですが、三連休で、お宿にご迷惑をおかけしない冬で、みんなが参加できそうで・・・。となると、この三日間しかないのです。

菊地俊一先生によるレッスン

今年は満を持して、日本で最初にヴィオラダガンバを演奏した（遣欧少年使節団を入れたら２番？）古楽界の重鎮、菊地俊一先生においでいただきました。まだまだ、技術的にも未熟な生徒たちに教えていただけるなんて、本当に幸せです。いつでも力になるからねと常日頃からおっしゃってくださっていたので、お言葉に甘えて思い切って合宿でのご指導をお願いしたら、快諾してくださいました。三日間びっしりと教えていただきました。本当にありがとうございました。

先生のレッスンのすごいところ

楽器のことも古楽のことも音楽のことも奏法のことも、どれをとっても超一流の教えをいただけるので、生徒たちが三日目で別人の集団になっていて、もうびっくりでした。

楽器の調整のことや、ｆ字孔の特徴、ハイドンはどう演奏するのか、じゃあこれがブラームスだったら？とか、わかりやすく生徒の心に届くようにお話してくださいます。

先生の音楽は絶対に停滞せずに、その音楽からどんな動きを表現するのか、どこに重心があって、どこを軽く弾くのか、音楽がどんどんドライブしていきます。なので、弾いていて本当に楽しいです。アマチュアだから、音程合わせて、音の間違いを正して、ここがずれてるとか、そんなレッスンではないのです。プロに求めるようなことを、どんどんアマチュアにも望んでくださいます。生徒たちも、それに必死に答えようと、四苦八苦。

それでもできないと、体のどんな動きが大事なのか、どこがまずいからできないのか、一人の人に焦点を当てつつ、みんなにも共通することとして教えて下さいます。音程が取れないと、何が原因で、テクニックのどこがまずいから取れないのかということも教えて下さいます。

なので、結果的に楽しく合奏の勉強をしながら、楽器の知識と、音楽様式の知識と、拍節感、バイオリンのテクニックが身につきます。フルオケのときには、ここまで細かく弦のことばかり面倒を見てくださる時間はきっとないと思うのですが、弦合奏のご指導の時は、これでもかというくらいの、弦楽器が上手になるためのレッスンをしてくださいます。たぶん、合宿に参加した生徒、今度のレッスンで音が変わってると思います！って、私も同じこと言ってるのに、先生が言うとこんなに変わるのはなんでだろう・・。ほんと、とほほって感じですよ。

自分のバイオリン指導の問題点

自分のバイオリン指導の問題点もたくさん見えてきました。

Facebookにも書きましたが、ここは浮き上がって次に飛びつくみたいにとか、動きのある演奏をしようとすると、生徒たちがとても悩むんですね。直線的な、羊羹みたいな音になっちゃうんです。そんな演奏にならないように、弓も弦からいつでも上がるように、常日頃指導してるんですが、細かいニュアンスの違いが出せないんですね。どんどん浮き上がっていくとか、そういうことができない事がよくわかりました。

スケールと難しいエチュードをやらせておけば、バイオリンが上手くなるわけじゃないんだな・・。と深く反省しました。「曲の中で技術の基礎を学ばせる。」ということを間近に見せていただいて、ただ自分がやってきたことや、音大でやるようなことをただやらせているだけじゃ、上手くならないってことをひしひしと感じています。カイザーとセブシックだけ弾かせても、上手くならないのよ。

もっとほんとうの意味で上手くさせないと！今年もがんばるぞ。

勉強した曲

ハイドン作曲　ディヴェルティメント

コレッリ作曲　クリスマスコンチェルト

パーセル作曲　アブデラザール

参加したメンバー

大学生一人、大人20人。

ビオラ4人、チェロ2人、チェンバロ2人、残りはバイオリン。

そして、先生が昔から教えていらっしゃるメンバーが3人参加してくださり、1プルト目で弾いてくださいました。上手な、しかもアマチュア・プロを間近に見て、生徒たちすごく刺激になったと思います。おかげで、史上最高にハイレベルな合奏ができました。

小さい頃から教えた大学生のHちゃんも、大人にすっかり溶け込んで、社交的でみんなに可愛がられていました。もちろん未成年なのでお酒は飲ませてませんが、毎日懇親会最後までつきあってくれました。なんか、うれしいですね。小さい頃から教えた子が、こんな大きくなるまで続いて、大人から始めた大人の生徒さんと仲良くなって楽しんでくれるなんて。