映画『オーケストラがやって来る』ロイヤル・コンセルトヘボウ
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今日は一ヶ月ぶりのお休み。お正月休み以来です。この日のために、なるべく事務仕事はレッスンの空き時間に済ませ、朝から家事も済ませ、映画に行ってきました。
3年前、名門ホール コンセルトヘボウで「18世紀オーケストラ」を聴いて、私の若かった頃にお金がなくてできなかった夢を果たす、「ヨーロッパ修学旅行の旅シリーズ第一弾」が始まったのですが、同じホールが出てきて、わくわくしました。あの運河も、あのアムスの景色もとっても懐かしかったです。
ユーロスペースという小さな劇場で、お客さんも20人もいなかったんじゃないでしょうか。(笑)3列目くらいで、誰も視界に他のお客さんが入らず、自分の世界にどっぷり浸って観てきましたよ。
世界の名門オケ ロイヤル・コンセルトヘボウ が創立125周年記念で世界ツアーに回るのですが、そこにカメラが潜入。団員の人生とか、またそれを聴きにくる人の人生にスポットライトを当てて、音楽がどれだけ素晴らしいか、音楽のある人生かどんなに楽しく充実しているのか、教えてくれる映画です。
流れてくる音楽は、もちろん一流。それに感動して涙がでるし、その人生に触れるとまた涙がでるし、もうずっと映画の間中泣いてました。ほんと、一人で行って良かった。(笑)
私が音楽を始めたのは、ピアノが大好きで大好きで、親の大反対を押し切って音楽大学に行った父の娘に生まれたからです。たぶん、父のところに生まれてなかったらきっと私にとっては、音楽は聴いて楽しむもので終わったと思います。そんな父との思い出を映画を観ながらいっぱい思い出しました。ああ、またこれを書きながら涙がでる。(笑)
田舎町に、たま〜に某プロオーケストラが来ると、父はまあいそいそとでかけていきます。小さい私も連れてってくれるんです。その時から私はバイオリンの音いいなあって思ってうっとりしてるのに、父は帰り際本気で怒ってるんです。「田舎回りだと思って、手抜いてる。一流の音楽はあんなもんじゃないんだ。いいか、もっと音楽は素晴らしいものなんだ。」とか言って、それがマジで怒ってるんですよ。きっとその時の演奏は、綺麗だったってしか私は覚えてないんですが、父にとっては許せない演奏だったんでしょうね。
そういうこととか、ウィーン少年合唱団を一緒に聴きに行って、オペレッタも途中でやってくれるんですが、そこのピアニッシモでものすごく難しいところを男の子が上手に歌ったら、父は一人で拍手したりして。隣で恥ずかしかったなとか。
テレビの前でオペラトスカを観ながら、いつもあの有名な「歌に生き恋に生き」を聴くと、必ず泣き始める父とか。
私はそういう家庭で音楽を始めたので、今でもこんな幸せな人生なんだなって、自分の人生をしみじみ振り返りました。父が、子どもの才能を自分の所有物のように思って、しごいてばっかりで、子どもの手柄を自分の手柄のように思ってるだけの人間だったら、(あ、そんなに私にはしごかれても才能なかったと思うけど)自分の人生はもっと貧しいものだっただろうなと思って、映画を観ながら父とたくさん話をしたい気分でした。
映画のことは、ネタバレしないように、多くは書かずにいようと思います。一つだけ書きたいことは、一流の音楽家たちは、単に才能があって努力ができるエリート集団というだけじゃなくて、一流の音楽愛好家だったということがこの映画で分かって、本当に嬉しかったです。みんなそれぞれに好きな音楽について語るシーンがあるんですが、民族音楽が好きとか、マーラーが好きとか、ショスタコのこの部分がとか・・。もう喋りながら感動して、ああ、語りながら涙が出てくるって言いながらまた語り尽くすんです。それを観ながら、私はまた涙が止まらないという本当に素敵な映画でした。生徒さんに是非観に行って欲しいです。大人も子どもも絶対に観て欲しいです。もう絶対です。ユリカバイオリンスクール推薦図書ならぬ、推薦映画にしたいと思います。
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