宮崎旅行記

2022年10月10日 / 最終更新日 : 2022年10月11日辻有里香

旅行記

〜ご無沙汰しました〜

皆様、ご無沙汰してしまいました。こんなに長い期間ブログが更新しなかったのは、多分、ブログをはじめて１９年。初めてかと！

色々９月にありまして・・・。笑）生徒さんたちにも、ご迷惑をおかけしました。

そして、私生活にも若干変化があり、９月になったなと思った記憶と、２０日頃に、あれ？９月終わるの？と思った記憶しかなく・・。気がつくと１０月は１０日も過ぎていました。

◯特別展　「若山牧水」〜牧水と旅〜

１０月の初め、２年９月ぶりに旅に出ました。飛行機って、何時間前に行くんだったっけ？とか、そんな感じでしたが、夫と二人で、久しぶりの旅行にテンション上がりまくりでした。

今回の旅の目的は、宮崎県立図書館で開催されている特別展「若山牧水」に出かけることです。え？宮崎まで？そんな牧水ファンだったっけ？と驚かれるかもしれませんが、ちょっと我が家と、ご縁があることがありまして。ちなみに、一番好きな歌人は、石川啄木です。笑）

ど〜ん。生徒さんたちにはおなじみのこのピンクの館、我が家なんですが、なんと牧水先生、東京で最後に住んでいたのが、この我が家のある地、「巣鴨町１４９３番地」なんだそうです。

平賀財蔵氏に当てた手紙に、自分の新居への地図が載っています。

自分の手紙は日記のようなものなので、捨てないでほしいと常々言ってたそうで、こうやって残っているそうです。大正８年のこと。

この地図のとおりに、宮崎図書館の中竹氏が調査のために、実際に巣鴨駅から歩いてみられたそうです。旅行好きだった牧水だけあって、かなり地図は正確で、しかも道が本当にそのままだったそうで、地図のとおりに歩くと、うちにたどりついたそう。

感動して思わずうちのチャイムを押そうかと思ったとか。押してくだされば！さすがにそれはやめて、後日お電話をくださいました。音楽教室なので、窓に電話番号も書いてあります！

道が区画整理でなくなったりしてなくて、良かったです。番地は変わってしまっていますが、豊島区の古地図と照らし合わせても、牧水の手紙の番地が、今の「南大塚」という地名に変わったうちと合致しています。

手紙によると、二階から豊島が丘＝護国寺あたりが見渡せ、樹木深いとかいてあります。散歩の途中にこの地を見つけ、すぐに借りる手はずを整えたみたいで、とても気に入っていた様子です。なんと、富嶽も望めると書いてあります。富士山も見えたとは！なんていい場所でしょう。

私の住んでるこの場所を、牧水も気に入ってくれてたなんて、すごく感動的です。

この家を買うときに、駅から遠いな・・。音楽教室としてどうなんだろう？以前は駅チカの１５階建てのマンションに住んでいて、生徒さんもすごく便利だったのに・・・。と悩んだのですが、夫の「高台が水害のときにいい」という意見と、この急坂を降りて行くときに見える、夕暮れ時の街の光がすごく好きで、とても気に入って引っ越しました。牧水も、この坂を降りながら、東福寺の歌会に歩いていったのかな。

家を見つけてくださった、宮崎県立図書館の中竹さんと。後ろは、お気に入りのマントをまとった、牧水。このマントは、お仕立てものだそう。おしゃれさんですね。

◯牧水って、どんな人？

牧水といえば、大酒飲みのイメージですが、白鶴の歌は、大学生のときに詠んだとか。夫と爆笑しましたね。お酒の歌も多いですね。

芸術の意味って、普段なんてことない風景や場面を切り取って、こんなに素敵だよって、その芸術家の視点で伝えることじゃないかと思うのですが、短歌はまさにそんな感じですね。

旅が好きな芸術家も多いですが、モーツアルトも人生のほとんどの時間を、旅に費やしていました。牧水もたくさん旅をしていたみたいです。息子さんの名前に、旅人（たびと）ってつけるくらい、好きだったみたいです。

旅は刺激がたくさんですし、見たことのないものや、食べたことのないものを食べたりして、自分の普通がいかに普通じゃないかを再発見しますし、大仰にいうと自分を再発見できるものじゃないかと思います。牧水も、旅で感性を磨きながら、自分と対話したのかもしれません。

大酒飲み、旅好き、そして今回の発見は、牧水はおせっかいが大好きで、面倒見のいい人だったということです。

私も人の恋バナ聞くのは大好きですが笑）同じ歌会のメンバー同士の仲を取り持ったり、連れ合い太田喜志子の妹の結婚をまとめたり。姉も歌人＝牧水と結婚、妹も牧水の知人の歌人と結婚。姉妹のお父上は、また歌人？と結構反対したとか。結婚相手としては、そうですよね。きっとお金ないでしょうし。この妹夫婦の結婚式は、この家の二階で行ったそうですよ。

人間牧水が感じられる、とても素敵な展示でした。

おまけの写真。

宮崎、本当においしいものがたくさんでした。焼酎と日本酒が、こういってはなんですが、期待以上！どこのお店も、なみなみと濃いめの水割りが出てくるんです！夫の母が旅の途中で具合がわるくなってしまい、急遽、予定の飛行機のチケットを捨てて、四時間早い飛行機に飛び乗り、大急ぎで帰京してしまったのですが、またぜひ再訪したいです。