バロック奏法ワークショップ
今年の発表会は室内楽でしたが、その時に生徒同士でもやってみようということで、初の試みで月に一回集まってレッスンしたものを発表する場を設けました。その時に、生徒たちがバロック時代の曲を選ぶことが多く、コレッリとかリュリとかパッヘルベルとか、その時に、モダンバイオリンでモダンボウで弾くのにバロック奏法で弾かせるのは、あまり意味がないのかな?とか、ボウイングをどうするのか決める時の決定的な理由とか、かなり教える時に悩みました。
ケルン在住でバロックバイオリニストとして活躍中の阿部千春さんに相談したら、色々相談に乗ってくださいました。「発表会には間に合わないけど・・・生徒さんに何かヒントをさしあげられるかも」と言ってくださり、このたび素晴らしいワークショップが実現しました!
すごいですよね!うちなんて、街の小さな音楽教室ですよ。そこに、ドイツのバロックバイオリン奏者がおいでくださるんですよ。もう夢のような時間でした。
曲は、発表会で演奏した3曲ですが、カノンは発表会メンバーとはちがうメンバーで。先生からご提案いただいた、ビーバーの曲を一曲。
コレッリ作曲 トリオ・ソナタ op2-4
コレッリ作曲 トリオ・ソナタ op3-1
パッヘルベル作曲 カノン
ビーバー作曲 Menza Sonora 第2曲
以上4曲です。レッスン生を募集したらあっという間に全曲いっぱいになりました。みんなやる気があって素晴らしいです。私でも大丈夫かしら・・などと変な忖度しないで、是非積極的に勉強したい人はするという雰囲気ができたらいいなと思っていたので、とても嬉しかったです。聴講生も4人。小さいお子さんのご父兄もいらっしゃる予定だったのですが、ベビーシッターさんが見つからず断念。もう一人ウィーンに一緒に行った大人の生徒さんは、演奏会のチケットを取っていたとかで断念。ウィーンに一緒に行った、いつも発表会でエキストラに来ていただいているバイオリニストさんにお知らせしたら、すぐに「面白そうですね!」と返信が来て、聴講でご参加頂きました。好奇心が人を前進させていくと思うので、参加してくださった方も、ご用があって断念された方も素晴らしいと思います。
さて、レッスン内容の詳細は控えたいと思いますが、私の結論として2つあります。
1)モダン楽器でバロックの曲を弾く意味はとてもあるし、また意味があるように弾いていくことができる。バロックバイオリンとバロックボウだと、より実現が可能になる。
2)バロック=軽く弾くだけじゃない音の出し方がある。
バロック演奏の特徴って色々あると思いますが、一番の衝撃は「子音」の表現でした。もちろん自分もレッスンを受けているので、さんざんわかっているつもりになっていましたが、生徒たちの演奏を少し遠目で聴いていると、あきらかに子音が入ると、明確に、そして音量が増したような感じになります。生徒ひとり以外はモダンしか持っていないので、モダンボウでやるのですが、それができているんですよね。うわあ、できるんだ!という発見でした。
先生は一切、音が大きいとかうるさいとか小さいとか足りないとか、そういう音量に対するコメントをなさらないのですが、響かせ方を提示されたり、弾いてくださったり、イメージをわくように説明されると、最後に全員の音量が適量になっていくのが聞こえてきて、とても興味深かったです。
合わせて、裸のガット弦を弾いたときの音の感じと、スチール弦を弾いたときの音の感じが明らかに違っていて、その弦らしい音というのがあるんだなというのも発見でした。やっぱり、バロックバイオリン弾いてるのに、モダンみたいな音がするわけがないんだよね。Eureka!とひとりで納得しました。
ボウイングのダウンアップが音楽を決めるとか、何通りも可能性があるから話し合うんだとか、発見はもういっぱいあるのですがとりあえずこのあたりで。(笑)モダンバイオリンしか知らないというのは、やっぱり表現が狭まるんだな。生徒たちには幅広く勉強してもらいたいなと再認識しました。
今夜、午後6時30分よりオペラシティーの近江楽堂にて、バロックバイオリン阿部千春さんとチェンバロ大井浩明さんによる「クラヴィーアとバイオリンのためのソナタ 全曲演奏会」が開催されます。たぶん日曜日のワークショップを受けたり、聴いたりした生徒たちは、たくさんの発見があると思います。
モダンバイオリンしか聴いたことがない方も、是非一度は聴いてもらうと色んな衝撃があると思います。当日券あります。会場受付でお待ちしています。
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